ベートーヴェン チェロ・ソナタ全曲演奏会
19世紀ウィーン黄金期のピアノで紡ぐ
インフォメーション
ともに京都を拠点に世界的に活躍している日本を代表するチェリスト上村昇と、歴史的楽器を使用するプロジェクトに多数取り組む上野真がタッグを組み、「チェロの新約聖書」とも呼ばれるベートーヴェン作曲のチェロ・ソナタ全5曲とチェロのための変奏曲全3曲を演奏します。
この演奏会のために特別に修復され、奇跡の復活を遂げる1840~1860年代にウィーンで誕生した貴重な2台のフォルテピアノも必聴です。
公演名 | ベートーヴェン チェロ・ソナタ全曲演奏会 |
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日時 | 2019年10月2日(水)19時開演、12月21日(土)14時開演 |
会場 | 京都府立府民ホール アルティ |
出演 |
上村 昇(チェロ)、上野 真(ピアノ) |
プログラム |
第1回2019年10月2日(水)19時開演(18:15開場) ★18:30より修復家山本宣夫によるプレトークを実施
<使用ピアノ> シュヴァイクホーファー(ウィーン 1845年製) 音域:CC~a4 ウィーン式打弦機構(ウィーン式アクション) ペダル2本(ダンパーペダル、ソフトペダル )
<プログラム> チェロ・ソナタ第1番 ヘ長調 Op.5-1 チェロ・ソナタ第2番 ト短調 Op.5-2 ヘンデル『ユダ・マカベウス』より「見よ勇者は帰る」の主題による12の変奏曲 ト長調 WoO 45 チェロ・ソナタ第5番 ニ長調 Op.102-2
第2回2019年12月21日(土)14時開演(13:15開場) ★13:30より修復家山本宣夫によるプレトークを実施
<使用ピアノ> Johan Baptist Streicher & Sons シュトライヒャー(ウィーン 1861年製) 音域:AAA〜a4 アングロジャーマン式打弦機構(パテントアクション) ペダル2本(ダンパーペダル、ソフトペダル )
<プログラム> モーツァルト『魔笛』より「恋を知る男たちは」の主題による7つの変奏曲 変ホ長調 WoO 46 チェロ・ソナタ第4番 ハ長調 Op.102-1 モーツァルト『魔笛』より「娘か女か」の主題による12の変奏曲 ヘ長調Op. 66 チェロ・ソナタ第3番 イ長調 Op.69
※都合により曲目・曲順等が変更になる可能性がございます。 |
料金 |
【全席指定・税込】 <2回セット券> A席 ¥9,000(¥7,500) B席(一般) ¥7,000(¥5,500) B席(学生) ¥5,000(¥3,500)
<1回券> A席 ¥5,000(¥4,500) B席(一般) ¥4,000(¥3,500) B席(学生) ¥3,000(¥2,500)
※当日500円UP ※( )内はアルティメイト会員優待価格 ※未就学児童の入場はご遠慮ください。 |
チケット取扱 | 京都府立府民ホール 075-441-1414 京都府立文化芸術会館 075-222-1046 ローソンチケット 0570-000-777(Lコード:2回セット券56517、1回券56522) |
チケット発売日 |
アルティメイト優先発売 2019年6月30日(日)10時より 一般発売 2019年7月6日(土)10時より |
お問合せ | 京都府立府民ホール 075-441-1414 (9時~18時/第1・第3月曜日休館) |
主催 |
京都府・創 <公益財団法人京都文化財団・株式会社コングレ共同事業体> 【京都府舞台芸術振興・次世代体験推進事業】 |
後援 | 京都市立芸術大学音楽学部 |
助成 | 芸術文化振興基金助成事業、公益財団法人ローム ミュージック ファンデーション |
協力 | フォルテピアノ ヤマモトコレクション |
プロフィール
上村 昇(チェロ)Noboru Kamimura
1975年京都市立芸術大学卒業。黒沼俊夫氏に師事。1976年第23回文化放送音楽賞受賞。1977年第46回日本音楽コンクール第1位。海外派遣コンクール松下賞受賞。1979年、京都、東京にてデビュー・リサイタル。第6回カサド国際チェロ・コンクール第1位優勝。ヨーロッパ各地で活躍。1983年第1回京都府文化賞新人賞受賞。1986年東京・京都にてバッハ無伴奏チェロ組曲全曲演奏会を開催。1991年ノイマン指揮チェコ・フィルハーモニー管弦楽団と共演。1993年第5回飛騨古川町音楽大賞奨励賞受賞。プラハ交響楽団と共演。1998年ABC国際音楽賞、2001年第19回京都府文化賞功労賞、2016年京都市文化功労者賞受賞。ソリストとしての活躍はもちろん、室内楽の分野においても国内外の著名なアーティストからの信頼も厚い。現在、京都市立芸術大学名誉教授、桐朋学園大学及び大阪音楽大学特任教授として後進の指導にも当たる。京都市交響楽団ゲストソロチェロ奏者。「京都アルティ弦楽四重奏団」チェリスト。ca1700年製マテオ・ゴフリラーを使用。
上野真(ピアノ)Makoto Ueno
カ−ティス音楽院にて、J.ボレット、G.グラフマン両氏に、ザルツブルク・モーツァルテウムにてH.ライグラフ氏に師事。メリーランド、ベーゼンドルファー=エンパイア、ジュネーヴ、オルレアン、リヒテル等の国際コンクールで上位入賞。これまで世界15カ国で演奏を行う。青山バロックザール賞、京都市立芸術新人賞受賞。近年は歴史的な楽器を使用してのプロジェクト多数。1816年製ブロードウッドでベートーヴェン、1925年製ニューヨーク・スタインウェイでラフマニノフ、1846年製プレイエルでショパン、1852年製エラールでリスト、また1927年製エラールを使用したドビュッシーとラヴェルの作品集などを発表。2019年にはフランクとブラームスの室内楽作品、2020年にはショパン練習曲集のレコーディングが予定されている。現在京都市立芸術大学教授。名古屋音楽大学客員教授。国内の主要コンクール、海外の国際コンクールの審査員も多数務める。またドイツ、ポルトガル、トルコ、韓国などでもマスタークラスを行うなど、教育活動にも力を入れている。
フォルテピアノ ヤマモトコレクション 山本 宣夫(フォルテピアノ修復家)
1966年よりピアノの製造と修理に携わり、1983年ベーゼンドルファー社(ウィーン)で研修。ウィーン芸術史博物館の専属フォルテピアノ修復師となる。1998年「スペースクリスト―フォリ堺」オープン。1999年「グラヴィチェンバロ・コル・ピアノ・エ・フォルテ」(ピアノ発明者、バルトロメオ・クリスト―フォリが1726年に製作したピアノ)の完全複製楽器を完成させ、ピアノ製作家・調律師のための世界大会(浜松)で展示・コンサートが行われた。2000年5月「ユーロピアノコングレス2000」(イタリア)に、この復元楽器が招待され、コンサート・レクチャー・展示が行われた後、ウィーン芸術史博物館にて一般公開された。2007年、リストがパリのサロンコンサートに使用していたエラールピアノ1867年製(東京サントリーホール蔵)を修復し、翌年10月サントリーホール・ガラコンサートに登場、話題を呼んだ。2013年より大阪芸術大学非常勤講師。
公演レポート
ALTI未来時間
ベートーヴェン チェロ・ソナタ全曲演奏会 第2回
12月21日は「ベートーヴェン チェロ・ソナタ全曲演奏会」の2回目でした。
今回もピアノ修復家の山本宣夫さんによるプレトークから始まりました。
ベートーヴェンの作曲活動は常に楽器の発展と共に歩んでおり、ピアノ作品は未来のピアノの音や機能を想像しながら作曲され、またピアノ製作者はその作品を受けて、更に能力の高いものをめざすなど、お互いが刺激しあいながら進化してきたようです。
この日使用されたシュトライヒャー(1861年ウィーン製)はベートーヴェンの作曲年代よりも数十年後に作られたものですが、山本さんによると、あえてそれを使うことでベートーヴェンがめざした音を聴くことができると考えこれを選んだとのこと。ピアノ修復家ならではの視点で興味深いお話しをしていただきました。
シュトライヒャーのピアノ、楽器の中ですでに非常に滑らかな響きを作り出すことができるようで、目の前で聴いても決して乾いた音にならない、まろやかでかつ生き生きとした音色の素晴らしいピアノでした。
そのシュトライヒャーを見事に弾きこなされる上野真さんの美しいピアノ。それを壊さないように、柔らかく丁寧な音作りの上村昇さんのチェロが、しかも雄弁に語りかけます。
こうなったら感動しかありません!
素晴らしい演奏で2019年最後のアルティ主催公演を飾っていただきました。
終演後は今回も多くのお客様がステージに上がられ、山本さんの説明を聞きながらピアノを興味深くご覧になられていました。ホワイエではサイン会も行なわれ、出演者との交流の時間を楽しんでいただきました。
次回アルティ主催公演は、2月11日(火・祝)林田明子さんのソプラノリサイタル「歌の万華鏡」シリーズの3回目(最終回)です。表情たっぷりに歌われる林田さんの優しい歌声をどうぞご堪能下さい!