創作能「五月花(メイフラワー)」「黒船(ブラックシップス)」
日米文化交流―温故創新-プロジェクト!
※当初5月15日(金)開催で予定しておりましたが、都合により11月2日(月)開催に延期となりました。
インフォメーション
関西気鋭の能楽師による、メイフラワー号新大陸到達400年、そして日米の出会いをテーマにした創作能をお届けします。
公演名 | 創作能「五月花(メイフラワー)」「黒 船(ブラックシップス)」 |
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日時 |
2020年11月2日(月) 19時開演(18:00開場) ★18:30よりプレトーク(約20分間)がございます。
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会場 | 京都府立府民ホール アルティ |
作・構成・演出 | 源 喜樹朗 義喜 |
節付・作舞 | 梅若基徳 |
出演 |
梅若基徳(シテ) 有松遼一(ワキ) 槌矢 亮(笛)、上田敦史(小鼓)、守家由訓(大鼓)、上田慎也(太鼓)ほか |
料金 |
【全席指定・税込】 ※未就学児はご入場いただけません。 |
お客様へのお願い |
※本公演は、『劇場、音楽堂等における新型コロナウイルス感染拡大予防ガイドライン』に沿って座席数50%にて実施いたします。 何卒、ご理解・ご協力を賜りますようお願い申し上げます。
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チケット取扱 |
京都府立府民ホール 075-441-1414 電子チケットぴあ 0570-02-9999(Pコード:502-884) |
チケット発売日 | 会員・一般8/1(土)10時~ |
お問合せ | 京都府立府民ホール 075-441-1414 (9時~18時/第1・第3月曜日休館) |
主催 |
京都府 創<公益財団法人京都文化財団・株式会社コングレ 共同事業体> |
<演目のあらすじ>
創作能「五月花(メイフラワー)」※初演2014年ロサンゼルス
時はメイフラワー号が米大陸へ到達した1620年から400年後の春、場所はボストン南郊の港町プリマスの浜辺。教会の神父(ワキ)が港を眺めつつメイフラワー号の偉業を回想している、そこへ船長の精霊(シテ)が現れ、問答の後、メイフラワー号の奇瑞を称え、アメリカの国土安穏と民心平安を願い、祝意をもって舞い納める。
創作能「黒 船(ブラックシップス)」(初演)
漂流中助けられアメリカで教育を受けて帰国し、黒船来航の日米交渉には通訳などとして重用されたジョン万次郎(ワキ)が、明治初年、病を得て役を辞し土佐に帰る途上、浦賀に立ち寄り、古を偲んでいる。そこへ何処方ともなく日米和親条約締結に尽力したペリー(シテ)の霊が現れ、ペリー没後の日米関係のありようにつき問答の後、令和なる日米和親の弥栄(いやさか)を願い、その思いを万次郎に託して、何処方ともなく消え失せるのであった。
プロフィール
グローバルエンタテインメントプロデューサー
源 喜樹朗 義喜(みなもと・きじゅうろう・よしのぶ)
エンタテインメントプロデューサーとして国内外で活動し、能楽師梅若基徳師とは20年来のコラボレーションを展開。能楽の国内での浸透を図るイベントを師と共同で催行する一方で、能楽の海外普及を図るべく2012年2014年ロサンゼルスの日米文化センターにおいて、新作能「五月花」を作詞・構成・演出を手掛け、その功績によりロサンゼルス市役所より日米文化交流に寄与したとして梅若師とともに特別表彰。著書には、『エンタテインメント・ビジネス論』(2012年)『J-POPマーケティング』(2002年)『能のグローバル化』(近著)など。
観世流シテ方能楽師
梅若基徳(うめわか・もとのり)
本名同じ。重要無形文化財総合指定保持者。
中世より代々続く梅若家に生まれ、3歳の初舞台より舞台活動を始める。
現在、関西を中心に東京、名古屋、福岡など日本各地での公演に参加。
また、2017年12月に新しく完成した自然光の降り注ぐ西宮能楽堂を拠点に、日本の伝統芸能の普及と、次世代に繋げる公演を定期的に行っている。
近年ではオランダ、ギリシャ、フランス、アルジェリア、ルーマニア、ブルガリアなど海外公演も多数参加。
2014年ロサンゼルス公演にて、アメリカのメイフラワー号の奇跡を題材にした新曲「五月花」を創作・演能し、「ロサンゼルス名誉市民」を拝受。
公演レポート
創作能「五月花(メイフラワー)」「黒船(ブラックシップス)」
創作能「五月花(メイフラワー)」「黒船(ブラックシップス)」
京都アルティ弦楽四重奏団に引き続きの主催公演となりました。
今回は創作能。
生憎の天気でお足元が悪い中ではございましたが、
ご来場いただきました皆様へ、お礼申し上げます。
今回はアルティとしましても、久々に能舞台をご用意させていただきました。
アルティに来たことはあるけど、ここの能舞台は初めて見た!という方も、中にはいらっしゃるのではないでしょうか。
所作舞台や松葉目だけでなく、アルティの変幻自在の可動式舞台を使えば脇正面も作る事ができます。こういった舞台作りができるのも、アルティならではと言えますでしょうか。
ではここで至極簡単ではございますが、アルティ能舞台の作り方を説明させていただきます。
まずは檜でできた所作台を敷きます。
つぎに、パネル状の松羽目を立て込みます。
最後に演者が行き来する奥通りや袖中を整えます。
とまあこんな風にして能舞台は出来上がっていくのでございます。
ちなみに、能舞台の上は何人も足袋をはいてないと立つことができません。理由はいくつかございまして、
①檜の舞台を汗や汚れから守るため
②神聖視されている能舞台には裸足ではなく汚れのない純白の足袋を用いるという考え方
③舞台に上がる際に身を引き締めるため
等と言われております。
こうして出来上がりました能舞台にいよいよ能楽師達が集まってこられます。
一般的に能ではリハーサルのことを「申し合わせ」と申します。
19時からの本番にむけての最終確認が舞台上で行われたのち、お客様のご入場となります。
さて、今回の演目は「五月花」(メイフラワー)、「黒船」(ブラックシップス)。
現代の能ということで、時代背景も比較的近代の世界が舞台ですので、親しみやすい作品のように感じました。アメリカ合衆国がテーマとなっていることもあり、カタカナ言葉も多く使われていたのが印象的でした。
ペリー提督の精霊の舞は本当に素晴らしかったと思います。
衣装に施された金色の装飾も相まって、神々しさが漂っていました。
また、茂山氏と島田氏による間の狂言も笑いが巻き起こっていましたね。
この狂言だけで1本、見たくなってしまうほどです。
今回が初演となる黒船(ブラックシップス)、公演自体、大変貴重なものとなりました。
また、今回は大学生の方にも多数ご観覧いただき、中にはお能を見るのが初めてという方もおられた様ですが、皆さん、地謡やお囃子の息のあった掛け合い、迫力ある演者さんの舞、美しい衣装に感動された様子で、能の面白さを知ることができ、新しい発見があったーと終演後に感想をいただきました。