進化し続けるトップチェリスト
2014年2月19日(水)、「ALTI芸術劇場 vol.12」を開催いたしました。vol.11と数日しか空いておらず、度々足を運んでいただいたお客さまも大勢おられ、当日は満席のご参加をいただきました。2013年度の本企画最後の催しとなるvol.12は、ALTI芸術劇場でも大人気のチェロ〝だけ〟の演奏会。日本のトップチェリストによる珠玉のプログラム(前後半の2部構成)を二時間たっぷり愉しんでいただきました。
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【切替】公開リハーサルの様子
当日は超満員となりました
公開リハーサルにも、多くのお客さまが来られ、普段みられないトップアーティストたちの練習を真剣に耳を傾けておられました。公開リハーサルも、もう少し聴いていたかったというお客さまの声も多数うかがうほどの大盛況でした。
M.コレット:協奏曲「フェニックス」(4.Vc)より
【切替】上村昇氏、藤森亮一氏/
河野文昭氏、上森祥平氏(M.コレット:協奏曲「フェニックス」より)
公開リハーサルから少し時間を挟んで、緩急がしっかりしていてるM.コレットの協奏曲「フェニックス」(4.Vc)からvol.12の幕が開き、2曲目との間には、「チェロアンサンブルの愉しみ」の中でも人気のある河野文昭氏のMCが入りました。ここで、河野氏が「それぞれの曲について少し解説しようと思っていたのですが、今日の白石先生の解説でいいたいことを全て解説されているから、話すこと無くなりました。(笑)」と白石知雄氏の解説を賞賛され、会場が沸いた一幕もありました。
毎回、大人気の河野文昭氏のトーク
【切替】
M.デュリュフレ:グレゴリオ聖歌の主題による4つのモテットOp.10
(5.Vc 河野文昭編曲)/
J.S.バッハ:ブランデンブルク協奏曲第6番(5.Vc)より
前半の最後の曲、バッハのブランデンブルク協奏曲第6番は、変ロ長調からト長調へ編曲されており、はねているような軽快なメロディーで始まりました。曲中では、チェロから奏でられる音が、まるで海の波が次から次へと打ち寄せるかのように、2重奏、3重奏、4重奏、5重奏とすばらいハーモー二ーになり、会場の皆様がその音に酔いしれ、演奏後には拍手喝采でした。
林 裕氏(J.S.バッハ:ブランデンブルク協奏曲第6番より)
【切替】C.サン=サーンス:祈り(4.Vc 河野文昭編曲)/
D.ポッパー:協奏風ボロネーズOp.14(4.Vc Sebastiaan van Eck編曲)より
後半は、C.サン=サーンス、D.ポッパー、P.デュカスの名曲3曲。D.ポッパーの曲は、昨年、林裕氏がD.ポッパー特集で賞を取られたので、その記念にということで演奏されました。河野氏のインタビュー時では、D.ポッパー演奏の裏話も出てきました。そして、藤森氏のプライベートにも少し踏み込んだ心温まるお話も伺え、和気藹々のインタビューでした。
【切替】林 裕氏/上村昇氏(河野文昭氏のインタビューより)
藤森亮一氏(河野文昭氏のインタビューより)
プログラム最後の曲で演奏されたP.デュカス「魔法使いの弟子」よりは、ウォルト・ディズニーのアニメ映画「ファンタジア」で使用された原曲でした。アンコールは、全てフランス音楽を演奏されました。プログラム6曲、アンコール3曲、全9曲のボリュームで、巧みさに円熟味を加えたトップチェリストたちの演奏技術が、チェロアンサンブル向けに仕上げたアレンジの妙と、四オクターブの広い発音域を持つチェロという楽器の様々な表情を味あわせてくれました。
<< アンコール曲 >>
- デュリュフレ:レクイエム Op.9より “ピエ・イエズ”(5.Vc)
- ドビュッシー:「子供の領分」 “ゴリウォッグのケークウォーク”(4.Vc)
- フォーレ:「夢のあとに」(5.Vc)
P.デュカス:「魔法使いの弟子」より(5.Vc 福富秀夫編集)より
【切替】アンコールより
本公演に引き続きたくさんのご参加をいただいた交流会は、チェリストたちを囲み、振る舞いのワインに舌鼓を打ちながら、みなさまでご歓談いただきました。
【切替】公演終了後の抽選会の様子
【切替】交流会の様子1
【切替】交流会の様子2
交流会の様子3
次回、ALTI芸術劇場vol.13は、アルティ・ダンスカンパニーによる第10回公演、「心中天網島」〜近松門左衛門より〜です。三味線や尺八など音楽とダンスのコラボレーションをお楽しみください。ご興味ご関心のある皆さまのご参加を、心より、京都は中立売り御門前にてお待ちしております。