加藤健一事務所「Be My Baby いとしのベイビー」
※終演後~出演者全員によるアフタートークと交流会あり。
インフォメーション
毎年大人気!加藤健一事務所の公演が2016年もやってきます!
2013年の初演で「日本の喜劇史に新たな名コンビが誕生した!」と絶賛された加藤健一×阿知波悟美が、全国から寄せられたアンコールの声に応えて再び帰って来ました!「Be My Baby」(ザ・ロネッツ)「Hound Dog」(エルヴィス・プレスリー)など60年代のポップスに乗せてお贈りします。観客全員を幸福感に包み込むあの笑撃のラストを、どうぞお見逃しなく!
公演名 | ALTI芸術劇場 Vol.28 加藤健一事務所「Be My Baby いとしのベイビー」 |
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日時 | 2016年6月18日(土)17:00開演(16:30開場) |
会場 | 京都府立府民ホール アルティ |
作 | ケン・ラドウィッグ |
訳 | 小田島恒志 小田島則子 |
演出 | 鵜山仁 |
出演 | 加藤健一、阿知波悟美、加藤忍、粟野史浩、加藤義宗、高畑こと美 |
公演当日のおもてなし | 終演後~出演者全員によるアフタートークと交流会あり。 |
料金 |
【全席指定・税込】 ※当日500円UP ※未就学児の入場はご遠慮ください。 |
チケット取扱 | 京都府立府民ホール 075-441-1414 京都府立文化芸術会館 075-222-1046 チケットぴあ 0570-02-9999(Pコード:447-762) ローソンチケット 0570-000-777(Lコード:54491) |
チケット発売日 | アルティメイト優先発売 2月12日(金)10時より 一般発売 2月14日(日)10時より |
お問合せ | 京都府立府民ホール 075-441-1414 (9時~18時/第1・第3月曜日休館) |
主催 | 創 <(公財)京都文化財団・(株)コングレ共同事業体> |
ストーリー
撮影:石川純
1963年イギリス。スコットランドのクリスティの元へ、ロンドンから婚約者のグロリアがやって来た。この若い二人とは対照的に、クリスティの親代わりのジョン(加藤健一)とグロリアの叔母のモード(阿知波悟美)は犬猿の仲で、顔を合わせる度に衝突ばかり。ところがある日、子供ができない若い夫婦の代わりに、ジョンとモードが二人きりで遠くサンフランシスコまで生後2週間の養子を引き取りに行く事になってしまう――。
出演者
公演レポート
ALTI芸術劇場 vol.28
加藤健一事務所 「Be My Baby いとしのベイビー」
梅雨の晴間、夏のような暑さに見舞われた6月18日(土)、ALTI芸術劇場vol.28加藤健一事務所『Be My Baby いとしのベイビー』の公演が行われました。幅広い年齢層のファンの方々で、客席は満員御礼。昨年の『滝沢家の内乱』に続き、こちらも数多く寄せられた熱望の声に応えて、2013年の初演から3年ぶりの再演です。
前回の『滝沢家の内乱』とはうってかわり、今回の舞台美術は、乘峯雅寛(のりみね まさひろ)氏による手書きタッチのイラストによる、パネルと可動式セットのみという、いたってシンプルなもの。このシンプルなセットが俳優の演技を際立たせると同時に、敢えてセットを動かす黒子を見せたり、俳優自らがセットを片付けるという斬新な見せ方を取り入れることで、演出と舞台美術が混然一体となって、お客様をぐいぐいとコメディの世界に引き込んでいきます。
開演前の注意事項アナウンスが、巧みにスコットランドについての解説へと続き、気付けば劇中の世界の中に…という心憎い演出で、本公演がスタート。赤ちゃんを軸に、熟年の男女2人と若い夫婦、男と女、出身の違い、など対比する要素を乗り越えてお互いの関係を作り上げていくという心温まるお話です。登場して一言のセリフで、はたまたスコットランドの伝統衣装であるキルトを着た姿だけで、会場をどっと沸かせるさすがの加藤健一氏。そして、緩急のついたセリフ回しで、笑いを誘う阿知波悟美氏。さらに、1人8役をこなす加藤忍氏、9役をこなす粟野史浩氏、若さ溢れる加藤義宗氏と高畑こと美氏が彩りを添えて、笑いあり涙ありの痛快コメディに仕立て上げられています。
シンプルな舞台美術を活かした、30回もあるテンポのよい舞台転換。さらに、照明や音楽も効果的に登場人物の心境に寄り添い、舞台を支えます。そして何より魅せられるのは、加藤健一氏と阿知波悟美氏の次第に心通わせる心境の変化です。細やかな視線の動きや相手の言葉に対する間合いが、テンポのよい舞台転換と相まって、観ている皆様にその変化がよく感じられるように進行していく運びとなっています。そこに溢れているのは、観ている人を決して置いてきぼりにしない、演じる者としての美意識と愛。終幕の結婚式の場面で、参列者のように思わず拍手してしまったのは、また、最後に流れた『Be My Baby』の曲に合わせて、思わず手拍子を取ってしまったのは、演出に乗せられてしまっただけなのではなく、この劇を支える美意識と愛に共感したからなのだと思わずにいられない、舞台とお客様が一体となった公演でありました。そして会場から割れるような拍手がわきおこる中、2回のカーテンコールを終えて公演は幕を閉じました。
終演後は、会場ロビーにて、アットホームな雰囲気の中、出演者6名によるアフタートークが行われました。アフタートークに前後して、ALTI芸術劇場のおもてなしのひとつ、アンケート抽選会にはいつにも増してお客様の長蛇の列が。さらに、アフタートーク後には、出演者の方々との交流会も。毎回足を運ばれて顔なじみのお客様と、久しぶりの再会を喜ばれたり、本公演にまつわるお話しや演劇談義など、公演のお疲れも見せずお客様との交流を、最後の最後まで楽しまれていた出演者の方々。本公演の大切なエッセンスである出演者の方々の温かい人柄に直に触れることのできた、ALTI芸術劇場vol.28でした。次回公演は、2017年秋(9月)を予定。今から待ち遠しいです!
アフタートーク 高畑こと美氏のお話
(グロリアという役について) |
- 自分は29歳、役は19歳の外国人で、どうしようかと思っていたけれど、演出家の鵜山さんが、「思ったらすぐ好き、嫌いと、その都度素直にやってくれ」と。「キスもぐちゃ〜っとやってください」と言われたのが、イメージしやすい言葉でした。私生活ではなかなかできない事なので、やっていて楽しかったです。
(30 回の場面展開、切り替えに苦労されましたか?) |
- 初演の時より、シーンとシーンの間が短くなっていたように思います。最初は大変でしたが、稽古の中でゆっくりゆっくり作りこんでいく中で、役についてもいろいろわかるようになったと思います。
アフタートーク 加藤義宗氏のお話
(クリスティという役について) |
- クリスティは受け身の立場の男性かな、と。私生活ではありえないけれど、やっていくうちに受けとめられるようになっていきました。一番学んだのは動物園でメスライオンとオスライオンの在り方を見た時です(笑)。再演となると、前回やっていたことをふまえて役をつくれるので、とても楽しかったです。全部で約70ステージあるので、やりたいことが変っていって、それも楽しかったですね。
(親子で演じる中で、最初の頃と今とで変ったことは?) |
- 父親の仕事を継ぐのは、最初は反発がありましたが、今は尊敬しています。今はとても“イイ”関係だと思う(笑)。
アフタートーク 加藤忍氏のお話
(1人8 役について) |
- 本当に初演の時には、8役といっても名前のあるもの、ないもの、どういうキャラクターにしようか悩んだのが思い出に残っています。今回キャラクターを変えたこともあって、前回はプレッシャーがすごくて、笑わせなければいけないと考えてしまっていましたが、今回は、いろいろ役について自分のおもしろいことばかり考えずに、お2人の役を考えてできるようになりました。 看護婦さんに関しては、演出の鵜山さんより、ドイツ人みたいに強い女性でやってみたらと言われ、今日のような役になりました(笑)
(演出の鵜山仁氏はどんな方?) |
- いろいろ試させてくださって、楽しくお稽古できました。ちょっとやって気に入るとちょっと笑ってくれて、それを目のはしで見ていて、じゃあこの線でいってみようかなと決めたりしていました。いらないものは捨て、いいなと思うものは積み重ねてつくれたので、それはよかったです。待ってくださる方だったので、それがとても嬉しかったです。
(ナース役の豊満なお体は?) |
- すべて自前でいかせていただいております(笑)。
アフタートーク 粟野史浩氏のお話
(1人9 役について) |
- 文学座のときは、鳥も入れて7役でしたから、今回は全部人間の役で良かったです(笑)。鵜山さんは、やればできるとおっしゃってくださり、私としてはお2人にどう関わっていくのか、自分の役をどう引き算するのかを考えました。
アフタートーク 阿知波悟美氏のお話
(モード役について) |
- とても可愛らしい女性。お芝居の全体から見ると、最初は受けれ入れられない2人が、だんだんと解けていく感じ、無力なものだけれど力を発揮する赤ちゃんによって、解けていく感じを感じていただければと思いながら演じました。
(ストレスの発散法は?) |
- 大きいお風呂、近くの立寄り湯、日帰り温泉、それとコレ(クイっと飲む仕種)! その日のストレスはその日のうちに。だから昼公演が好きです(笑)。
アフタートーク 加藤健一氏のお話
(『Be My Baby』について) |
- 日本で初めて演じたのですが、この本を読んでいて、笑っちゃったし泣いちゃった。自分の体をリトマス試験紙にしてみたら感動しちゃったんです。ケン・ラドウィックは大好きな作家さん。
(30 回の場面展開、切り替えに苦労されましたか?) |
- 連続シーンになるので、結構大変でしたが、練習を積み重ねながらだんだん出来ていきました。19歳で夫を亡くした人に向き合う気持ちなどは、最初はわからなかったけれど、だんだんわかっていきましたね。
(スコットランド訛りはあれで大丈夫ですか?) |
- スコットランドの友人に聞いてもらったら、OKとの事(笑)。
(ミュージカルのご予定は?) |
- 阿知波さんはミュージカルにも出ておられますので、私もいつか小さいミュージカルに出てみたいと思います(笑)。
撮影:濱野 裕生
ご参加いただいた方々からのメッセージ
- ものすごく笑えた。ストーリーのせっていがおもしろい。またみたい。(10代 男性)
- セットの使い方がおもしろく、しみじみする場面もありながら、笑いの絶えない劇でした。(20代 男性)
- 舞台の上を、動くセットで目まぐるしく切りかえる構成や、6 人だけで回していく演出は面白かったです。(30代 女性)
- 自然と芝居世界に没入していく感じ、流石と言わざるを得ません。また見てみたいです。(30代 男性)
- 加藤健一事務所のファンで、もう20年以上前から観ています。『Be My Baby』は初演を見逃したので嬉しいです。芸達者な熟年のお二人と若いお二人の対比、笑いの中に人生を考えさせる物語、ハッピーな結末、観終わった後、楽しい気分になりました。アフタートークは初めてでしたが、すごくいい試みだと思います。(40代 女性)
- とても楽しいお芝居で、幸福な気分になれました。イングランドとスコットランドの対立は、あまり詳しくないのですが、東京vs大阪、あるいは、京都vs大阪のようなものでしょうか? 阿知波さん、テレビでは良く拝見していますが、舞台では初めてでとても魅力的な舞台女優さんだなと思いました。(40代 男性)
- 笑いっぱなしでした!! とにかく上手い! 簡単なセットなのにお芝居のトーンに合っていて楽しかったです。また次の作品も楽しみにしています。(50代 女性)
- 本多劇場が見に行けなかったので、京都に来ました。見に来てとても良かったです。加藤健一さんはじめ最高のチームワークですね! 笑い、感動ありのすばらしいお芝居でした。(50代 男性)
- 役者さんたちが楽しく演じられていて、その楽しさが全ての観客にストレートに伝わってくる舞台でした。(60代 男性)
- 劇場の大きさが良いですね。アットホームなふんいきの中で大変楽しく見せていただきました。(60代 女性)
- とにかくとても楽しかったです。あ~こんなのもありなんだなあ~というのが感想でした。主演のお二人の演技に引き込まれいるうちに、ぐっと入りこんでしまい ました。何か心があたたまる気持ちです。いつも楽しみにしておりますのでお元気でがんばって下さい。ありがとうございました。(70代 女性)
- 演技がとてもうまかった。ストーリー展開が早く、飽きさせない。(70代 男性)
公演ページ
アルバム
ALTI 芸術劇場vol.28
加藤健一事務所『Be My Baby』 公演日の様子