ALTI芸術劇場 Vol.29

ゲヴァントハウス弦楽四重奏団
Gewandhaus Quartett

~200年を超える伝統 世界最古のカルテット~

日時:9月26日 (月)

インフォメーション

公演名  ALTI芸術劇場 Vol.29
ゲヴァントハウス弦楽四重奏団
日時  2016年9月26日(月)19:00開演(18:00開場)
会場 京都府立府民ホール アルティ
出演

ゲヴァントハウス弦楽四重奏団

  フランク=ミヒャエル・エルベン(Vn) 
    Frank Michael Erben
  コンラート・ズスケ(Vn) 
    Conrad Suske
  アントン・ジヴァエフ(Va) 
    Anton Jivaev
  レオナルド・フレイ-マイバッハ(Vc) 
    Le’onard Frey-Maibach

プログラム ハイドン:弦楽四重奏曲第78番「日の出」Op.76-4
モーツァルト:弦楽四重奏曲第19番「不協和音」K.465
ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第8番「ラズモフスキー第2番」Op.59-2
※都合により曲目や演奏順等が変更になる場合がございます。
公演当日のおもてなし 18:30 公演への誘い(プレトーク)
           トークゲスト:鴫原眞一(京都大学名誉教授・音楽評論家)
19:00 本公演
料金

【全席指定・税込】
一般前売:A席【限定48席】※A席は完売しました。

                           5,500円(アルティメイト優待価格:5,000円)

              B席一般 4,500円(アルティメイト優待価格:4,000円)
学生前売:B席 3,500円(アルティメイト優待価格:3,000円)
アルティメイト会員詳細へ
※当日500円UP ※未就学児の入場はご遠慮下さい

チケット取扱

京都府立府民ホールALTI  075-441-1414
京都府立文化芸術会館  075-222-1046
チケットぴあ  0570-02-9999(Pコード:296-861)
ローソンチケット  0570-000-777(Lコード:53232)

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チケット発売日 アルティメイト優先発売 5月20日(金)10:00 〜
一般発売 5月22日(日)10:00 〜
お問合せ 京都府立府民ホールALTI  075-441-1414
(9時~18時/第1・第3月曜日休館)

プロフィール

ゲヴァントハウス弦楽四重奏団ゲヴァントハウス弦楽四重奏団

 2008/2009シーズンに結成200周年を祝うゲヴァントハウス弦楽四重奏団は、世界最古の弦楽四重奏団
である。1809年にヴァイオリニストのアウグト・マッティと他のゲヴァントハウス管弦楽団の3人の音楽家によって誕生。以来、ゲヴァントハウス管弦楽団の首席奏者を中心に、今日にいたるまで途切れることなく音楽活動を続けている。

 19世紀のメンバーにはメンデルスゾーンにヴァイオリン協奏曲を献呈されたF.ダヴィッド、ブラームスのヴァイオリン協奏曲の初演を行なったJ.ヨアヒム等がいる。

世界各地での演奏に加え、平成天皇や英国のチャールズ皇太子の前でも非公開で演奏を披露しているほか、ドイツのローマン・ヘルツォーク大統領が1999年3月にアルゼンチンを公式訪問した折に同行。NHKによる収録も行なわれている。

 ゲヴァントハウス弦楽四重奏団は、一貫して同時代の音楽を支持してきた。今までにメンデルスゾーン、シューマン、ブルッフ、ドヴォルジャーク、レーガーを含む100以上の作品の初演を行っている。

 結成以来共演を行なった著名演奏家の中にはクララ・シューマン、ブラームス、ブゾーニ、グリーグ、ニキシュ、ケンプ、ルービンシュタインなどの名前もある。近年ではヨーヨー・マ、ザビーネ・マイヤーなどと共演を行なっている。

CD録音にも積極的に取り組み、ベートーヴェンの後期の四重奏曲のCDについて`Klassik heute’(Classic Today)誌は、「模範的で、かつひとつの基準ともなり得る解釈」を持ち、「卓越した音の美しさ」で聴く者を魅了すると述べ、また「この録音は、ゲヴァントハウス弦楽四重奏団が世界で最も優れた四重奏団のひとつであるという名声を再確認するものである」としめくくっている。ベートーヴェンの弦楽四重奏曲の全曲録音はNCAレーベルより発売されており、過去に同四重奏団によって初演されたシューマンとメンデルスゾーンの録音も「ゲヴァントハウス弦楽四重奏団が世界における一流の四重奏団のひとつとして挙げられていることは尤もなことである」と評されている。

 

(写真右より順に紹介)

フランク=ミヒャエル・エルベン(第1ヴァイオリン)
Frank=Michael Erben( 1st  Violin)

 1965年ライプツィヒ生まれ。5歳よりヴァイオリンを学び、7歳でライプツィヒのフェリックス・メンデルスゾーン・バルトルディー音楽大学への入学を認められる。在学中にゲヴァントハウス管弦楽団に客演し、1987年に22歳で同管弦楽団の首席コンサートマスターに任命された。ネヴィル・マリナー、クルト・マズア、ヘルベルト・ブロムシュテットなどの指揮のもと、モーツァルト、ベートーヴェン、メンデルスゾーン、チャイコフスキー、シベリウスのヴァイオリン協奏曲を演奏し、ソリストとしてサラサーテの「カルメン幻想曲」(CD)、メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲(DVD)も発売されている(共にクルト・マズア指揮ゲヴァントハウス管弦楽団との共演)。1993年よりゲヴァントハウス弦楽四重奏団の第1ヴァイオリンを務めている。

アントン・ジヴァエフ(ヴィオラ)
Anton Jivaev (Viola)

1976年、ウズベキスタンの首都タシケントに生まれたアントン・ジヴァエフはロシアの音楽一家の出身で幼少期からクラシック、ジャズを学んだ。7歳で初めてのヴァイオリンのレッスンを受け、16歳でヴィオラに転向する。タシケントの国立音楽大学を卒業後、フィラデルフィアのカーティス音楽院でロベルト・ディアツに師事。卒業後5年間、ノースカロライナ交響楽団のソロ・ヴィオラ奏者として活躍。現在はゲヴァントハウス管弦楽団のメンバーであり、ゲヴァントハウス弦楽四重奏団とヴェルビエ・チェンバーオーケストラにも所属している。

コンラート・ズスケ(第2ヴァイオリン)
Conrad Suske(2nd Violin)

  1958年ライプツィヒ生まれ。1971年~1981年、ベルリン(ハンス・アイスラー)とライプツィヒ(フェリックス・メンデルスゾーン・バルトル ディー)の音楽大学のマスタークラスでヴァイオリンと室内楽を学ぶ。1981年にライプツィヒのゲヴァントハウス管弦楽団に入団し、1984年に同楽団の 首席コンサートマスター代理に任命された。同楽団における活動の他に、ズスケは、ドイツのさまざまなピアニストとのデュオ演奏会を定期的に行っている。 1989年にゲヴァントハウス弦楽四重奏団に加わり、また、1993年にはバイロイト祝祭管弦楽団のメンバーとしても活躍している。

レオナルド・フレイ-マイバッハ(チェロ)
Léonard Frey-Maibach

1991年、リヨンの音楽一家に生まれ8歳でチェロを始める。15歳にしてリヨン・コンセルヴァトワールで一等を獲得。チェロをローランド・ピドーおよびグザヴィエ・フィリップに、室内楽をジャン・スレムとヴァレリー・エマールに学んだ。2013年、ユリウス・ベルガ―博士の元で大学を卒業する。室内楽ではヴォルフガング・ベッチャー、ボリス・ガルリツキーとライナー・クスマウルから大きな影響を受けており、その間も定期的にザルツブルグ、クローンベルグ、ミュンヘン、ライプツィヒ、ボルツァーノ、リスボン、パリなどで室内楽を演奏。2007年以来、フランスのパリ・ユースオーケストラやグスタフ・マーラー・ユースオーケストラなど数々のユースオーケストラで積極的に演奏。また、彼はミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団のアカデミストとしてロリン・マゼールとズビン・メータの指揮で演奏している。2013年、ゲヴァントハウス管弦楽団の首席チェロ奏者代理となり、その後首席チェロ奏者の座についた。弓はリヨンのデニス・ベルゲロン、チェロはニコラ・ルポーの1810年製。

 

公演レポート

ALTI芸術劇場 Vol.29

ゲヴァントハウス弦楽四重奏団

2016年9月26日、ALTI芸術劇場Vol.29 ゲヴァントハウス弦楽四重奏楽団の演奏会が催されました。

プレトークに立ったのは京都大学名誉教授であり音楽評論家の鴫原眞一さん。ハイドン、モーツァルト、ベートーヴェンという、古典派音楽の三代巨匠を揃えた曲順について「弦楽四重奏のストーリーになっている」と解説されました。音楽を形作った交響曲の父・ハイドン、突き抜けた発想を持つモーツァルト、ドイツ音楽にグローバルな視野を取り入れ、深みを持たせたベートーヴェンは、そのままドイツ音楽史でもあると、当演奏会を楽しむ新たな視点を提示いただきました。

 

公演1曲目はハイドンの「弦楽四重奏曲第78番『日の出』Op.76-4」。新しい一日の始まりを感じさせるオープニングが、心地よく始まりました。美しく響く高音域の旋律は優雅で気品にあふれ、あまりに自然に演奏するので一切の技巧さえ感じられません。きらびやかな大広間でゆったりと舞い踊る貴族たちの姿が目に浮かぶようでした。

2曲目はモーツアルトの「弦楽四重奏曲第19番 ハ長調『不協和音』K.465」。この曲の特徴でもある序奏の不協和音のアンバランスさは「多様な現代音楽に慣れた我々にとっては普通かもしれないが、当時の人々にとっては衝撃的」と鴫原氏の解説にありましたが、今耳にしても4つの楽器がお互いの動向を窺い合っているような面白さがあります。中盤から盛り上がるモーツアルトらしい明るく華やかなメロディと、時折顔を覗かせる不協和音の不穏な空気の対比をお楽しみいただけたのではないでしょうか。

3曲目のベートヴェンは「パトロンであったラズモフスキー侯爵夫人への哀悼の情から出来上がった」と解説されている通り、深い哀しみの感情を切々と訴えるような表現が楽曲に現れてきます。宮廷の舞踏音楽らしさが漂う前の2曲に比べると、3曲が繋ぐストーリーの変化を最も感じられる曲ではないでしょうか。

今回の第4楽章の演奏は圧巻で、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロの応酬が徐々に激しさを増し、ラストは4人の奏者の魂のぶつかり合いのような演奏を魅せていただきました。

 

アンコールはメンデルスゾーンの「弦楽四重奏曲第6番」より第3楽章。優しい子守歌のように始まり、優雅に広がるハーモニーは、刺激的な演奏で昂ぶった観客の心をすっと沈めてくれました。

実はこの日は、第二ヴァイオリンを務めたズスケ氏の誕生日。終演後、スタッフから贈られたささやかなプレゼントに満面の笑みで答えてくれました。

生演奏の醍醐味は、音色の響きを楽しむのはもちろん、奏者の息づかいや迫力を目で肌で感じられるところにもある―そんなことを感じていただけた演奏会だったのではないでしょうか。

公演終了後はCDの販売や、エントランスホールにてアンケート抽選会などが行われ、会場に来られた方々は演奏について語り合いながら、思い思いに過ごされていました。

次回、ALTI芸術劇場はVol.30 2016年11月3日「エンリコ・オノフリ 古楽器の世界」、そしてVol.31 11月5日「京都アルティ弦楽四重奏団 第20回記念演奏会」です。皆様のご来場を心よりお待ちしております。

写真:河合裕子

文:鈴木茉耶

ご参加いただいた方々からのメッセージ

  • すばらしい曲目とすばらしい演奏でした。(10代 男性)
  • 大変すばらしい演奏でした。特に高音の豊かさがとても素晴らしく、聞きほれてしまいました。(20代 男性)
  • 生演奏を聴くのは久しぶりでしたが、体に響いてとてもよかったです。また来たいです。(30代 女性)
  • 表現の引き出しの豊かさ、音色の美しさ、四人のバランスなど、どこをとっても素晴らしく、至福の時間を過ごさせていただきました。ありがとうございました。(40代 女性)
  • プレトークにもあったように、音楽史の流れを感じられる構成で、それぞれユニークな特徴もあり、プログラムとして楽しめた。演奏はもちろんピカ一。美しさに五感が刺激されました。(50代 女性)
  • 目の前で臨場感溢れる演奏に感動しました。涙が何回もあふれました。また聴きたいです。(60代 女性)
  • 澄み切った精緻な美しい音色、音の重なりを堪能させていただきました。溜まっていたストレスが洗い流されたような、何とも爽快な気持ちです。ありがとうございました。(60代 女性)
  • 感動しました!個々の奏者の音色がクリアに聞こえるのに、すっかり音楽の響きに包まれ…アンサンブルの極致と言うしかない!プレトークも分かりやすく、充分な心構えができました。(60代 男性)
  • すばらしかった!うるおいある、細部まで美しい音色で四人の演奏が合わさって、これ以上望めないほど満足しました。来年もぜひ来てください!(70代~ 女性)
  • さすが200年の伝統を持つゲヴァントハウス四重奏団、音色に時を忘れる。透明でかつ磨きあげられた演奏に大満足。(70代~ 男性)

公演ページ

ゲヴァントハウス弦楽四重奏団

アルバム

ALTI芸術劇場vol.29 ゲヴァントハウス弦楽四重奏団 公演日の様子 

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