チェロアンサンブルの愉しみ
トップチェリストによる珠玉のアンサンブル
インフォメーション
日本が誇るトップチェリスト5名がアルティに集結!毎年大人気のアンサンブルをお楽しみください。
公演名 | チェロアンサンブルの愉しみ |
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日時 | 2017年3月31日 (金) 19:00開演 (18:30開場) |
会場 | 京都府立府民ホール アルティ |
出演 | 上森祥平、上村 昇、河野文昭、林 裕、藤森亮一 |
プログラム |
ヘンデル:ソナタト短調Op.2-8(3Vc) ※都合により曲目が変更になる場合がございます。 |
料金 |
※現在舞台サイドの追加席のみ販売中です。
【全席指定・税込】アルティメイト会員詳細へ B席:4,000円(アルティメイト優待価格:3,500円) ※A席はアルティのみでの取り扱い ※当日500円UP ※未就学児の入場はご遠慮ください |
チケット取扱 | 京都府立府民ホールアルティ 075-441-1414 京都府立文化芸術会館 075-222-1046 チケットぴあ 0570-02-9999(Pコード:313-469) ローソンチケット 0570-000-777(Lコード:52022) |
チケット発売日 | アルティメイト優先発売 11月26日(土)10時より 一般発売 11月29日(火)10時より |
お問合せ | 京都府立府民ホールアルティ 075-441-1414 (9時~18時/第1・第3月曜日休館) |
主催 | 京都府・創 <(公財)京都文化財団・(株)コングレ共同事業体> 【京都府舞台芸術振興・次世代体験推進事業】 |
助成 | 公益財団法人 ローム ミュージック ファンデーション |
プロフィール
(写真左順から)
林 裕
Yutaka HAYASHI
1993年 第62回日本音楽コンクール第1位、黒柳賞を受賞。青山音楽賞、松方ホール音楽賞大賞、大阪文化祭賞グランプリ、音楽クリティッククラブ賞本賞、文化庁芸術祭優秀賞等を受賞。「いずみシンフォニエッタ」メンバー。現在、相愛大学、神戸女学院大学非常勤講師。
上村 昇
Noboru Kamimura
1977年第46回日本音楽コンクール第1位。第6回カサド国際チェロ・コンクール第1位優勝。1983年第1回京都府文化賞新人賞受賞。2001年第19回京都府文化賞功労賞受賞。現在、京都市立芸術大学教授、桐朋学園大学非常勤講師。「京都アルティ弦楽四重奏団」チェリスト。
河野 文昭
Fumiaki KONO
1981年第50回日本音楽コンクール第1位、1990年京都音楽賞、1992年大阪府文化祭賞、2004年第22回京都府文化賞功労賞等を受賞。「紀尾井シンフォニエッタ東京」、「岡山潔弦楽四重奏団」メンバー。現在、東京藝術大学教授。「カンマームジーク@アルティ」主宰。
藤森 亮一
Ryoichi FUJIMORI
1983年第52回日本音楽コンクール第1位、2008年第26回京都府文化賞功労賞、「モルゴーア・クァルテット」として1998年村松賞、2010年アリオン賞受賞。1987年NHK交響楽団に入団、現在首席奏者を務める。東邦音楽大学特任教授、国立音楽大学客員教授。
上森 祥平
Shohei UWAMORI
1997年第66回日本音楽コンクール第1位入賞、併せて松下賞受賞。2003年京都市芸術文化特別奨励者に選ばれる。ドイツ国家演奏家資格取得。2012年第30回京都府文化賞奨励賞、2016年第14回齋藤秀雄メモリアル基金賞受賞。現在、京都市立芸術大学非常勤講師。
公演レポート
ALTI芸術劇場 Vol.33
チェロアンサブルの愉しみ
2017年3月31日、毎年大盛況のALTI芸術劇場Vol.33 「チェロアンサンブルの愉しみ」が催されました。あいにくのお天気でしたが多くの方にご来場いただき、咲き始めたばかりのしだれ桜も雨の中懸命におもてなししているようでした。
前半はバッハ、ヘンデルというバロック音楽の巨匠2人の作品が並びます。ヘンデルの「ソナタ ト短調Op.2-8 HWV393」の荘厳な調べに引き込まれ、バッハの「プレリュード ト短調、リュート組曲BWV995より」のデュエットでは、成熟した技巧で紡がれる大人の掛け合いが早速お客様を魅了していました。
続くバッハの「サラバンドとガヴォット ニ長調、無伴奏チェロ組曲第6番 BWV1012より」は、舞踊曲ながら静かに祈りを捧げているような敬虔さを感じる曲調。チェロの重低音と柔らかな高音部がより世界観を引き立てます。4曲目の「プレリュードとフーガ ハ短調 BWV867」はいよいよ5人のチェリストが出そろい、見事なハーモニーを披露。ヴァイオリンやヴィオラとの合奏とはまた違い、1本加わるごとに音が深まるような、影が濃くなるようなチェロアンサンブルの面白さ、そして個性の違う5人の音が完璧に一体となる感動を味わうことができました。
曲の間のお話では、メンバーの河野氏が同じ年、同じ国に生まれた2人の作曲家が歩んだ生涯と不思議な巡りあわせをユーモアたっぷりに解説。「この曲をチェロだけで弾くのは難しいし大変なんですよ…」なんてぼやきも混じえ、会場はあたたかな空気に包まれます。
休憩後はビゼーの「カルメン組曲」からスタート。「今回唯一のイロモノです」と冗談を飛ばしながら本格的な演奏を繰り広げ、燃え上がる情熱を内に秘めて恋の駆け引きをする、チェロアンサンブルらしい大人のカルメンを披露されていました。
「これまでが前菜、最後のこの曲がずっしりとしたメインディッシュです」と軽妙に紹介された最後の大曲は、深い哀しみをたたえるショスタコーヴィチ「24の前奏曲とフーガOp.87」から5曲を、メンバーの林氏が5本チェロのために編曲したものです。
演奏前のインタビューコーナーで見せた和気あいあいとした雰囲気からは一転、曲が始まると身を切られるような哀しみが舞台から溢れます。悲痛な叫び、涙も枯れ果て心に穴が空いた様子、誰かに悲しさをぶつけたり、絶望から抜け出そうともがいたり…曲の中で形を変える悲哀が豊かなバリエーションで表現され、聞く人の心を揺さぶります。チェリスト一人ひとりが奏でる哀しみがシンクロしたり、競ったりしながら一つの音楽を形作っていました。
アンコールは本公演内でも演奏したバッハのサラバンドのもう一つの編曲、「無伴奏チェロ組曲第3番」、ベートーヴェンがインスピレーションを受けてこの場面の変奏曲を作ったというモーツァルトのオペラ「魔笛」より「恋を知る男たちは」、そしてスペインの作曲家・ファリャのバレエ音楽「三角帽子」より「粉屋の踊り」の3曲。5人5様の音が心地よく重なり合って空間を駆け上がり、掛け声とともに曲が終わると会場は喝采に包まれました。
終了後、アンケートの抽選会にもたくさんの方にご参加いただき、エントランスは大変なにぎわいを見せていました。ちょうど春休みということもあり、家族でお越しの方の姿も多く、はじめての弦楽器コンサートを楽しんだお子様も多かったのではないでしょうか。
次回のALTI芸術劇場は、Vol.34 2017年5月13日「すごいジャズには理由(ワケ)がある Part3」です。
皆様のご来場を心よりお待ちしております。
文:鈴木茉耶
ご参加いただいた方々からのメッセージ
- インタビューコーナーが面白いです。最初の曲のはもるところが良かったです。カルメン組曲は元気が出て楽しくなりました。最後の曲はカッコ良かったです。(10代未満・男性)
- すばらしいひびき♡カッコイイひきかた(10代 女性)
- 曲・パートによって弾き方・音色・音量等を引き分けているのが見事でした。席がとても近かったので、手元がよく見えてとても参考になりました。ショスタコーヴィッチ、初めて聴いたのですが衝撃的でした。悲痛の叫びというか、和音が怖くてゾクゾクしました。(20代・男性)
- 無伴奏組曲を複数のチェロで演奏していて、また違った印象で厚みがありとても良かった。カルメン組曲はとっても聴きごたえがあり、迫力がありました!!ショスタコーヴィッチは、5台のチェロが絶妙な掛け合いで、曲の中に引き込まれるようでした。(20代・女性)
- 楽しかったり悲しかったり忙しくて、聞き終わった後にすっきりしました。チェロの音っていいですね。(30代・女性)
- ショスタコーヴィッチはトップチェリストの真髄でした。(40代・男性)
- 5人の方の情熱、技術がぴったり息の合った演奏に繋がっていました。(40代・女性)
- 落ち着いたアンサンブルが良かった。ショスタコーヴィッチがまるでこの編成で書かれたかのように聞こえた。(50代・男性)
- オーケストラで聞きなれた曲が、オケ以上に迫力を持って迫ってくる感じでした。またチェロ無伴奏の曲は、同じチェロという楽器なのに全く違った印象で、チェロという楽器がどういうものか、今まで知らなかった部分に触れた気がしました。(50代・女性)
- 雰囲気があったかい♪進行の方の話が面白い♪(60代・男性)
- チェロの音に癒されます。知らない曲もユーモアあふれる解説で興味が湧き、楽しく聴くことができます。(60代・女性)
- 贅沢な時を過ごしました。演奏者の呼吸もわかるようで、弓の動きと音の響きが体と心に感じられました。(70代以上・男性)
- チェロの連弾がなんとも言えず、やわらかで心にひびき良かった。(70代以上・女性)