~生誕80年・没後30年記念~グレン・グールド トリビュート

ALTI芸術劇場vol.2はクラシックに浸り、イタリアに包まれる、そんな一夜。

【演   奏】新イタリア合奏団 & アンドレア・グリミネッリ
【プログラム】 ヴィヴァルディ
弦楽のための協奏曲 ハ長調
フルート協奏曲 ヘ長調「海の嵐」※
2つのヴァイオリンと2つのチェロのための協奏曲 二長調
フルート協奏曲 二長調「ごしきひわ」※
協奏曲 イ長調「ペル・エコー・イン・ロンターノ」
ヘンデル:「水上の音楽」組曲 ト長調※
J.Sバッハ:ブランデンブルグ協奏曲 第5番

(※フルート・ソロ=アンドレア・グリミネッリ)

【公 演 日 時】 2012年9月21日(金) 19時開演・16:30開場(※終了しました。たくさんのご参加ありがとうございました)
※本公演はもちろん、公開リハーサルから交流会までご参加いただけます。
17:00公開リハーサル(ゲネプロ)
18:00公演への誘い(プレトーク) ゲスト/中村 孝義(大阪音楽大学理事長)
19:00本公演
21:00頃交流会
【会   場】京都府立府民ホール アルティ(交通アクセス

 ALTI芸術劇場Vol.1「井上道義指揮 オーケストラ・アンサンブル金沢」 |  過去公演 | ALTI芸術劇場Vol.3「グレン・グールド トリビュート」 

 

フルート、ストリングス、そしてイタリアに包まれた夜

2012年9月21日(金)、「ALTI 芸術劇場 vol.2」を開催いたしました。第一回に引き続きたくさんのご参加をいただいた第二回は、アンドレア・グリミネッリ氏と新イタリア合奏団が出演。新イタリア合奏団のダイナミズムに富んだ演奏と、グリミネッリ氏の繊細で情熱的なフルートが、秋の顔を覗かせ始めた京都の夜をイタリア色に、艶やかに彩りました。


フルートのグリミネッリ氏

演奏に観客が引き込まれていくようでした
 

本公演演奏曲の要所を重点的に確認する内容だった公開リハーサル(ゲネプロ)は、気さくで陽気なイタリアというステレオタイプもどこ吹く風の緊張感で(予定時間が延びたのはご愛敬です)、早くから会場に足を運んでいただいていた皆さまも納得の、聴き応えのある "音" でした。

本公演直前のプレトーク「公演への誘い」は中村孝義大阪音楽大学理事長をゲストにお迎えし、イタリアの風土や出演者の魅力、会場の京都府立府民ホールならではの響きなど、本公演の聴き方、楽しみ方を分かりやすくお話いただきました。


緊張感のある公開リハーサル(ゲネプロ)の様子

本番公演前のプレトーク
 

チェンバロがステージ中央に鎮座する本公演は、前後半の二部構成。前半は ALTI 芸術劇場 vol.1 のアンコール曲でも演奏された『フルート協奏曲ニ長調「ごしきひわ」Op10-3 RV.428』などヴィヴァルディから 5 曲。新イタリア合奏団のみで演奏する弦楽協奏曲と、グリミネッリ氏が加わってのフルート協奏曲とが交互に演奏される、メリハリのあるステージでした。


ヴィヴァルディ協奏曲「ペル・エコー・イン・ロンターノ」で、
まるで木霊のように奏であう

多くのお客様から笑顔と拍手をいただきました
 

後半はヘンデルから『「水上の音楽」組曲第3番ト長調 HWV.350』、バッハの『ブランデンブルグ協奏曲第5番ニ長調 BWV.1050』の二曲。さらにアンコールでは ALTI 芸術劇場 vol.3 グレン・グル―ド トリビュートに関連したバッハの『管弦楽組曲第3番ニ長調より第2曲「アリア」』など三曲が演奏されました。いずれも緩急に富んだ新イタリア合奏団の演奏と、情緒溢れるグリミネッリ氏のフルートが創り出す "情熱" にホール全体が酔いしれる時間となりました。

アンコール曲目

  • 1曲目 エンニオ・モリコーネ:映画「ミッション」より
  • 2曲目 第3回公演のテーマであるグレン・グールドが最も愛した作曲家の一人であるJ.S.バッハの曲から管弦楽組曲第3番ニ長調より第2曲「アリア」
  • 3曲目 J.S.バッハ:管弦楽組曲第2番ロ短調より第7曲「バディネリ」

多くの方で賑わった、Vol.2の交流会

サイン会などで演奏者と多くのお客様との交流がありました
 

たくさんのご参加をいただいた公演終了後の交流会は、喫茶タナカのソムリエ・マスター厳選のイタリア自然派ワインを片手に皆さまが本日の公演を振り返っての話題に花咲く、和やかな場になりました。

次回、ALTI芸術劇場vol.3は、天才ピアニスト「グレン・グールド」の生誕80年・没後30年記念トリビュートとして秘蔵映像の上映会や記念公演、そして古都ならではおもてなしをご用意いたします。ご興味ご関心のある皆さまのご参加を、心より、京都は中立売り御門前にてお待ちしております。

 

パヴァロティが愛したフルーティスト アンドレア・グリミネッリ

アンドレア・グリミネッリ

細やかな解釈と驚異的なテクニックの持ち主として、批評家や聴衆から賞賛されているアンドレア・グリミネッリは、ニューヨーク・タイムズ紙上において、90年代のトップ8名の新生アーティストの一人と称されていた。
10歳からフルートを習い始め、伝説的なジャン=ピエル・ランパルやサー・ジェームズ・ゴールウェイらに師事。彼らはアンドレアを「この音楽界の最前線に長く君臨するであろう偉大なフルート奏者だ」と称した。
パリ音楽院でランパルに師事していた頃、イタリアのストレサとアレッサンドリアの音楽コンクールを制覇。1983年と1984年に名誉あるパリ賞を受賞している。
1984年にルチアーノ・パヴァロッティの招きを受け、ニューヨーク・マディソン・スクエア・ガーデンにおける有名なコンサートで25歳の年に国際デビューを果たす。この共演を機に、パヴァロッティとの長い共演が始まり、1990年、ロンドンのハイド・パークでのコンサート、1993年、ニューヨークのセントラル・パークでの共演、パリのエッフェル塔やモスクワの赤の広場でのコンサートなど、忘れられない思い出が多い。
また、ヨーロッパ、日本、南アメリカ、北米など世界中の重要なコンサートやツアーで演奏している。スカラ座からカーネギー・ホールまで、名誉ある劇場やコンサート会場で演奏し、また、世界の指揮者たち、たとえばプレートル、ジュリーニ、メータ、クリヴァヌ、バシュメット、ロジェストヴェンスキー、レヴァイン、デュダメル、佐渡、大友などと共演している。オーケストラとの共演は、ロイヤル・フィル、ベルリン交響楽団、バイエルン放響、ロンドン・フィル、ニューヨーク・フィル、タリン・ライ・オーケストラ、ダラス交響楽団、ロサンゼルス・フィル、NHK交響楽団、東京交響楽団などがある。
1991年イタリア共和国の大統領から騎士の称号を授与し、2003年にはイタリア共和国の功労者として勲章を得ている。
また、フルートとオーケストラのために新しく作曲された曲の世界初演を多く手がけている。たとえば、カルロ・ボッカドーロ、ファブリッツィオ・フェスタ、エンニオ・モリコーネ、三枝成章らの作曲家が含まれる。
さらに、現在は国際的なポップ・アーティストであるエルトン・ジョン、ジェームズ・テーラー、ステイング、ブランフォード・マルサリス、ジェスロ・タルの伝説的なイアン・アンダーソンらとコラボレーションをしている。

CD制作にも積極的に取り組んでおり、デッカ・レーベルより数多くのCDをリリースしている。主なものとして、イングリッシュ・チェンバー・オーケストラ/ランパル指揮との共演で、ビバルディ、メルカダンテのフルート協奏曲、カメラータ・ザルツブルグ/サー・ロジャー・ノリントンとの共演で、モーツァルトのフルート協奏曲集、ロッシーニの木管四重奏曲、ケラー・カルテットとのモーツァルトフルート4重奏曲集、クレモナ・カルテットとのボッケリーニ:フルート5重奏曲集、ピアニスト ジャン・カシオリとのデュオ、さらに「アンドレア・グリミネッリのシネマ・イタリアーノ」と題したCDなどがある。これは、バカロフとモリコーネのアレンジ、アーティストのステイング、ルチアーノ・パヴァロッティ、ルチオ・ダッラ、デボラ・ハリー、フィリッパ・ジョルダーノらにより表現されたイタリアシネマの世界からのサウンド・トラックより選ばれたものである。

最近では、ヨーロッパ、アメリカ、南米、日本を含むアジアを定期的に訪れ、各地のオーケストラと共演するほか、イタリアのギター奏者エマヌエーレ・セグレとのデュオ、イタリア合奏団やクレモナ・カルテットとの共演、リサイタルなどを活発に展開し、クラシック・アーティストとしての地位を確立している。2008年には、パバロッティ・トリビューン・コンサートの数少ないゲストに選ばれた。一方、友人であるアンドレア・ボッチェリの世界ツアーにも参加、多彩な面も披露している。

 オフィシャルサイト(http://www.andreagriminelli.com/)

超一流と折り紙つきのアンサンブルが、さらなる飛躍を求めたカタチ――「新イタリア合奏団」

新イタリア合奏団

完璧な技巧と高い音楽性で超一流と折り紙付きの名アンサンブル、イタリア合奏団が、21世紀への新たな飛躍を求めてメンバーを一新、「新イタリア合奏団」としてスタートした。

メンバーは、ヴァイオリンのフェデリーコ・グリエルモをリーダーに、イタリアの著名オーケストラのコンサートマスターやソロ首席奏者の経験者、国際コンクールの入賞者、有名なイタリアの室内楽グループ(ローマ合奏団、キジアーノ六重奏団)の元メンバーなどによって構成されている。レパートリーは弦楽六重奏から交響曲まで、またバロックから近代まで、指揮者を置かず、ソロもメンバーが交替で担当して演奏している。

これまでに多くの世界的アーティストと共演、その中には、アンドレア・グリミネッリ(フルート)、ハンスイェルク・シェレンベルガー(オーボエ)、ミラン・トゥルコヴィチ(ファゴット)、エマニュエル・パユ(フルート)、ミカラ・ペトリ(リコーダー)、ムスティスラフ・ロストロポーヴィチ(チェロ)、ラドゥ・ルプー(ピアノ)、キャサリン・バトル(ソプラノ)、アンサンブル・ウィーン=ベルリンなどが含まれる。地元イタリアでは、パユ、ルプーをゲストに迎えたツアーを行い、ヴィチェンツァのテアトロ・オリンピコでの「音楽のための人生」賞のレジデント・アンサンブルを務める。

スイス、ドイツ、フランスで毎年コンサートを開くほか、オランダ・ツアー、ブラジル、アルゼンチン、ウルグアイなど南米ツアー、ウィーン・ムジークフェライン、リンツ・ブルックナー音楽祭を含むオーストリア・ツアー、アジア・ツアーなどスケジュールが目白押しである。CDはデンオン・レーベルほか様々なレーベルからリリースしている。

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