~生誕80年・没後30年記念~グレン・グールド トリビュート

〝結局、彼は正しかった〟
――その斬新なピアニズムと美意識をALTI芸術劇場vol.3で掘り下げます

【日   時】 2012年11月7日(水)・8日(木) 各16時~21時(15時30分開場)(※終了しました。たくさんのご参加ありがとうございました)
グレン・グールド関連映像を14時からTVモニターでの上映あり
【プログラム】

11月7日(水)

16:00劇場初公開「Glenn Gould Hereafter」
ブリューノ・モンサンジョン監督作品(上映時間106分)
18:00講演/ブリューノ・モンサンジョン
~コーヒーブレイク(コーヒーサービス付)~
20:00記念演奏
●フーガを書いてごらんなさい(約6分)
黒田恵美(ソプラノ)、小林久美子(メドソプラノ)、山本康寛(テノール)、荻原寛明(バリトン)、武知朋子(ピアノ)
20:10講演/宮澤淳一(青山学院大学総合文化政策学部教授)
20:40記念公演
●ピアノ小品より(約10分)
●ニュルンベルグのマイスタージンガー(ワーグナー/グールド編曲)(約10分)
京都市立芸術大学音楽部 安部裕之教授
ピアノ専攻 上野真准教授、砂原悟准教授、野原みどり准教授

11月8日(木)

16:00本邦初公開「Glenn Gould Toronto」(上映時間50分)
17:10対談/宮澤淳一X浅田彰(京都造形芸術大学大学院院長)
18:00記念演奏
●ゴルドベルグ変奏曲(約35分)
イリーナ・メジューエワ(京都市立芸術大学音楽学部ピアノ専攻講師)
~コーヒーブレイク(コーヒーサービス付)~
18:50記念演奏
●フーガを書いてごらんなさい(約6分)
黒田恵美(ソプラノ)、小林久美子(メドソプラノ)、山本康寛(テノール)、荻原寛明(バリトン)、武知朋子(ピアノ)
19:00参加者との対話/ブリューノ・モンサンジョン
終了後交流会

ブリューノ・モンサンジョン氏

フランス人映画作家、ヴァイオリニスト。グレン・グールドやリヒテルなど偉大な20世紀の音楽家についてのいくつかの記録的な映画を製作している。
オフィシャルサイト(http://www.brunomonsaingeon.com/)

~ご来場者の皆様へ~

1月8日19時~【参加者との対話】で、モンサンジョン氏が皆様の質問にお答えします。なお、質問は以下のとおり事前に受付させていただきます。
受付期間:11月7日~11月8日17時まで、会場に質問用紙をご用意させていただきますので、その用紙にご記入ください。
※プログラムは変更になる場合がございます。追ってこちらでお知らせいたします。

【主   催】京都府・指定管理者 創<(財)京都文化財団・(株)コングレ共同事業体>
【後   援】カナダ大使館(関連ページはこちら
【協   力】青山学院大学総合文化政策学部 宮澤淳一研究室
京都市立芸術大学
株式会社ソニー・ミュージックジャパンインターナショナル
日本映像翻訳アカデミー
【会   場】京都府立府民ホール アルティ(交通アクセス

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グレン・グールド、その人物を読み解くトリビュート

2012年11月7日・8日の二日間にわたり、「ALTI芸術劇場vol.3」を開催いたしました。両日ともお陰様で大盛況のうち無事に終了いたしました。ご来場いただいたお客様には大変感謝申し上げます。第3回は、「生誕80年・没後30年 グレン・グールド トリビュート」と題して、講演会、対談、記念演奏、映像上映を行い、多角的にグールドの功績を振り返った二日間でした。


会場入り口。秋色を覗かせるALTI

ホールにはグレン・グールドの写真を展示
 

映画「Glenn Gould Hereafter」からは、グレン・グールドの影響力と音楽に対して考え方あり方を見ることができ、「Glenn Gould's Toronto」では、彼自身の人生観を投影しつつその当時のトロントが語られました。「Glenn Gould Hereafter」は宮澤淳一氏の監修のもと、日本映像翻訳アカデミーの修了生11 名による字幕を付して、日本で初の劇場公開でした。また、「Glenn Gould's Toronto」は字幕付きでの本邦初上映でした。宮澤淳一氏の監修のもと、青山学院大学総合文化政策学部の実習授業「映像翻訳を通して世界と関わる」履修生7名(通称「映像翻訳ラボ」)が制作してくださいました。(協力:日本映像翻訳アカデミー)


イベント開始前からたくさん来場いただきました

モンサンジョン監督「Glenn Gould Hereafter」上映風景
 

ブリューノ・モンサンジョン氏の講演では、「Glenn Gould Hereafter」の撮影での裏話や、グールドの音楽に対しての想いを聞くことができました。中ではグールドのユーモアあふれる日常のエピソードにも触れられ、会場から笑い声が聞こえることもちらほら。二日目のラストには、お客様の質問に答える形のディスカッションも持たれ、グールドトリビュートに相応しい時間となりました。


ブリューノ・モンサンジョン氏の講演

中村孝義大阪音楽大学理事長の講演
 

宮澤淳一青山学院大学総合文化政策学部教授の講演

宮澤教授と浅田彰京都造形芸術大学大学院長との対談
 

中村孝義大阪音楽大学理事長の講演は「作品」と「演奏」の関係性、宮澤淳一青山学院大学総合文化政策学部教授の講演はグレン・グールドの軌跡を、それぞれ分かりやすく紹介した内容でした。浅田彰京都造形芸術大学大学院長との対談では、グレン・グールドの音楽への想いを聞くことができました。それぞれの講演・対談でメインテーマとされたのは、なぜグレン・グールドが「レコーディングによる音楽制作」を大切にしていたか、そして、なぜ「コンサートを辞めたか」というものでした。そこには、グールドのその当時斬新的で先進的な音楽に対しての情熱が込められていることを垣間見ることができました。

記念演奏より
左から、京都市立芸術大学の砂原悟准教授、野原みどり准教授、上野真准教授、阿部裕之教授
演奏曲目:「5 つの短いピアノ小品」(演奏者/上野氏)
「2つの小品」(演奏者/阿部氏)
「ニュルンベルグのマイスタージンガー」(演奏者/砂原・野原氏)

イリーナ・メジューエワ講師演奏「ゴールドベルグ変奏曲」
 
記念演奏より「フーガを書いてごらんなさい」
左から、黒田恵美氏(ソプラノ)、武知朋子氏(ピアノ)、 小林久美子氏(メゾソプラノ)
山本康寛氏(テノール)、 萩原寛明氏(バリトン)

公演終了後の交流会
 

記念演奏では、ユーモラスな混声4部とピアノの「フーガを書いてごらんなさい」「ピアノ小品より」、ワーグナー作曲・グールド編曲「ニュルンベルグのマイスタージンガー」、バッハ作曲「ゴールドベルグ変奏曲」が演奏され、会場を魅了しました。アンコールでは、「フーガを書いてごらんなさい」の日本語訳詞(宮澤淳一氏訳)が演奏されました。

公演終了後の交流会にもたくさんのご参加をいただきました。ワインを片手に、ブリューノ・モンサンジョン氏、宮澤先生と本日の講演を振り返る、和やかな場になりました。

 
グレン・グールド

独特の低い姿勢とハミングでピアノを奏でる、
バッハの最も偉大な演奏者

20世紀でもっとも個性的なピアニスト。1932年9月25日、カナダのトロント生まれ。幼少より楽才を発揮し、10歳よりトロント音楽院でオルガン、ピアノ、理論を学ぶ。14歳でピアノ部門の修了認定(アソシエイト)を最優等で取得し、ピアニストとして国内デビュー。1955年、米国デビュー公演の直後に米CBS(現ソニー・クラシカル)と専属録音契約を結ぶ。同年録音、翌年発売されたバッハの『ゴールドベルク変奏曲』で、それまでのバッハ演奏を一新させた。

20代は、北米全土ばかりか、モスクワ、ベルリン、ウィーン、ザルツブルク、ロンドン等にも演奏旅行に赴き、カラヤン、バーンスタイン、セル、クリップスなど錚々たる指揮者たちとも共演して名声を築く。しかし彼はステージよりも録音・放送スタジオを好んだ。

1964年4月のリサイタルを最後に演奏会活動を引退、以後は録音と放送番組の仕事と執筆に専念する(電子メディアの優位を説く彼の信念と実践は、のちに「コンサート・ドロプアウト」の名で議論を呼ぶ)。バッハ、ベートーヴェン、モーツァルト等を取り上げ、「引退」以降も録音・発売を続けた幾多のアルバムは、その一作一作が新鮮な驚きに満ちており、世界中にファンを増やしていった。

1982年10月4日、50歳の誕生日の9日後、脳卒中のため急逝。前年に再録音した『ゴールドベルク変奏曲』が遺作となった。

死後三十年を経ても、グールドの人気は衰えない。本人の著作や伝記・研究所も多く読まれ、クラシック音楽のジャンルを超えて、今なおファンは増え続けている。

参考:ソニー・クラシカル資料より
関連: ソニーミュージックジャパンインターナショナル グレン・グールド特設サイト

 

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