ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロで奏でるベートヴェーン
2012年12月1日(土)に開催いたしました「ALTI芸術劇場vol.4」、小雨のパラつく生憎の天気にもかかわらず、ほぼ満席のご参加をいただきました。当館が生んだ弦楽四重奏の最高峰「京都アルティ弦楽四重奏団」を迎えての第四回は、「オール・ベートーヴェン・プログラム」と題したベートーヴェンづくしのステージ。弦楽四重奏ならではの繊細さと力強さに耳を奪われる二時間余りでした。
アルティの軒に積もった落ち葉が晩秋を教えてくれました
京都アルティ弦楽四重奏団
本公演前に催された「おもてなしメニュー」は、日本庭園の中に佇む御茶室でのおもてなし(※)と、プレトーク「公演への誘い」のふたつ。前者、御茶室のおもてなしでは、茶菓子に舌鼓を打ちながらの楽しいひと時を参加者のみなさまにお楽しみいただきました。
後者のプレトークでは、京都大学名誉教授・鴫原眞一氏に本公演の主題であるベートーヴェンについて、その作品群が生まれた時代背景を主軸にお話しいただきました。ちなみに、ベートーヴェンの『コリオラン序曲』はALTI芸術劇場vol.5の演目でもあるシェイクスピア劇『コリオレイナス』に関する戯曲をベートーヴェンの友人が発表した時の感動が作曲の動機につながったものだそうです。
※日本庭園の中に佇むお茶室でのおもてなしは、プレミアムチケット購入の方のみのおもてなしとなっております。
日本庭園の中に佇む御茶室外でのおもてなし
日本庭園の中に佇む御茶室内でのおもてなし
公演への誘いより、京都大学名誉教授・鴫原眞一氏
四本の弦楽器が奏でるベートーヴェン
絶妙に協調し合った〝音〟を聴かせてくれました
ベートーヴェンづくしの本公演は、静寂にたゆたうような穏やかな曲と軽やかな律動が心地良い曲とで構成され、そのいずれもが2本のヴァイオリンとヴィオラ、チェロが協調し合う〝音〟を堪能できるステージでした。クラシック演奏ならではのボリュームの大小幅とその表現力、穏やかな曲調の中に時おり顔を覗かせるスリリングな展開など、高い実力のカルテットだからこそ、各楽曲の持ち味がさらに際立っていました。
アンコール曲
ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第13番Op.130 第6楽章(Allegro)
たくさんのご参加をいただいた交流会
アンケートにもたくさんのご回答いただきました
交流会より、豊嶋泰嗣氏
同じく交流会より、上村昇氏
恒例となりました公演終了後の交流会は、第四回を数える今回もたくさんのご参加をいただき盛況に終えることができました。豊嶋泰嗣氏と上村昇氏にも登場いただき、本公演の感想や両氏の公演等について、振る舞いのワインを楽しみながら、みなさまでご歓談いただきました。
次回、翌年2013年になりますALTI芸術劇場vol.5は、シェイクスピア劇の殿堂グローブ座を沸かせた京都の劇団「地点」を迎え、1月25日より29日の五日間にわたっての開催です。古都ならではのおもてなしと、グローブ座に大変身するアルティもお楽しみに。ご興味ご関心のある皆さまのご参加を、心より、京都は中立売り御門前にてお待ちしております。