地点『コリオレイナス』

シェイクスピア劇の殿堂を沸かせたあの作品がついに京都へ アルティの空間がグローブ座に変身!

【日   時】 2013年1月25日(金)~2013年1月29日(火) 全5公演(※終了しました。たくさんのご参加ありがとうございました)
 15:0017:0019:30上演時間2時間15分(休憩15分含む)
受付開始は開演60分前、本公演開場は開演30分前
25日(金)  太田耕人(京都教育大学教授)によるプレトークあり
26日(土)   
27日(日)  終演後交流会あり
28日(月)  三浦基によるプレトークあり
29日(火)   

※ プレトークは19時開始です!

【原   作】 ウィリアム・シェイクスピア 【翻訳】福田恆存
【演   出】三浦基
【音 楽 監 督】桜井圭介
【出   演】安部聡子 石田大 窪田史恵 河野早紀 小林洋平
【ス タ ッ フ】演奏|桜井圭介 向島ゆり子
舞台美術|杉山至+鴉屋 照明|藤原康弘 音響|堂岡俊弘 衣裳|堂本教子(KYOKO88%) 舞台監督|大鹿展明
宣伝美術|松本久木(MATSUMOTOKOBO Ltd.) 制作|田嶋結菜
指定管理者|創<(財)京都文化財団・(株)コングレ共同事業体>
【会   場】京都府立府民ホール アルティ(交通アクセス

 ALTI芸術劇場Vol.4「第16回京都アルティ弦楽四重奏団」 |  過去公演 | ALTI芸術劇場Vol.6「チェロアンサンブルの愉しみ」 

 

アルティで体感する地点のシェイクスピア!

2013年1月25(金)~29日(火)、「ALTI 芸術劇場 vol.5」を開催いたしました。五日間に亘り、幅広い年齢層からご参加をいただいた第五回は、シェイクスピア劇の殿堂・グローブ座を沸かせた地点の「コリオレイナス」。"かぶりつき"のステージにヤード席というグローブ座さながらに大変身した京都府民ホール・アルティで、地点の迫力満点のパフォーマンスを間近でご堪能いただいた全五公演でした。

 アルティもグローブ座さながらに大変身!
地点のシェイクスピア劇「コリオレイナス」
地点のシェイクスピア劇「コリオレイナス」
 

シェイクスピア最後の悲劇となる「コリオレイナス」は、日本では知名度が低いですが、英国では有名劇団が数年に一度手掛ける定番の演目。独裁を目論む戦争の英雄コリオレイナスと民主化を望む民衆との対立をテーマに、社会を人間を読み解くそのストーリーを、地点が斬新なアプローチで怪演します。地点の代表であり演出家でもある三浦基氏のユニークなその演出は、開幕から客席を引き込み、終幕までの二時間余りを魅了し続けました。

地点のシェイクスピア劇「コリオレイナス」
舞台を所狭しと動き回るステージングは圧巻でした
 シリアスなテーマの中に散見するユーモラスな演出も
 
 客席を劇中の聴衆に見立た演出が更に没入感を増させます
地点のシェイクスピア劇「コリオレイナス」
荘厳さに息を飲むシーンも
 

舞台を所狭しと動き回り場面を創造する地点メンバーらのステージングとコリオレイナス役・石田大氏の圧倒的な存在感、シェイクスピア劇からは想像し得ないアジアチックな衣装と歌舞伎を彷彿させる動き、そして演技を際立たせる照明と絶妙のタイミングを抑えた音楽ーーこれらが絡み合ったステージは実に魅力的で、洋の東西も時代も超えた独特の空間を創り出していました。

プレトークに講演いただいた太田耕人京都教育大学教授
プレトークに講演いただいた太田耕人京都教育大学教授
 同じく、地点演出家の三浦基氏
 

本公演直前のプレトーク「公演への誘い」には、25日に太田耕人京都教育大学教授、28日に地点演出家の三浦基氏の両氏を招き、シェイクスピア劇や、その時代背景など、本公演をより楽しむためのお話をいただきました。両講演ともたくさんのご参加をいただき、特に三浦氏の回では当公演の演出家ということもあって、熱心に耳を傾けるお客様の姿が目立ちました。

 地点メンバーとの交流会
 ワイン片手に和気藹々の楽しいひとときでした
 

27日には公演終了後に交流会を開催。地点のメンバーらと共に、本公演や舞台裏秘話などを俎上に和気藹々とした交流を図れた会となりました。
次回、ALTI芸術劇場vol.6は、上森祥平、上村 昇、河野文昭、林 裕、藤森亮一ら5人の日本屈指のトップチェリストを迎えます。もちろん、古都ならではおもてなしもご用意。ご興味ご関心のある皆さまのご参加を、心より、京都は中立売り御門前にてお待ちしております。

 

深い洞察力と熟達した演出のもと、演劇における動き、音、身体の重要性が際立つ舞台

この作品はシェイクスピア最後のローマ劇の魅力的な上演であり、地点は深い洞察力をもった三浦の熟達した演出の下、この劇の新鮮な解釈を差し出すというズバ抜けた仕事をやってのけた。それは時に見過ごされがちな、演劇における動き、音、身体の重要性を際立たせるものだった。
アデル・リー(Blogging Shakespeare)[ロンドン公演劇評より]

観客たちは紛れもなくこの上演に興味を惹かれ、魅せられた。劇がその悲劇的クライマックスに達したとき、禅でいう悟りの境地がこのグローブ座で触知可能なものになったように思え、三浦と俳優たちは盛大な拍手を得て満面の笑みで喜びを発散させた。
アンジー・エリゴ(The Arts Desk)[ロンドン公演劇評より]

三浦基(Motoi MIURA)

1973 年生まれ。桐朋学園大学演劇科・専攻科卒業。1999 年より2年間、文化庁派遣芸術家在外研修員としてパリに滞在する。2001 年帰国、「地点」の活動を本格化。2005 年 4 月、京都へ拠点を移す。2006 年『るつぼ』(作:A・ミラー)にてカイロ国際実験演劇祭ベスト・セノグラフィー賞受賞。2007 年よりチェーホフ四大戯曲をすべて舞台化する<地点によるチェーホフ四大戯曲連続上演>に取り組み、第三作『桜の園』にて文化庁芸術祭新人賞受賞。他 2011 年度京都市芸術新人賞など受賞多数。著書に『おもしろければ OK か? 現代演劇考』(五柳書院)。現在、京都造形芸術大学舞台芸術学科客員教授。

三浦基(写真左)と桜井圭介(写真右)

桜井圭介(Keisuke SAKURAI)

音楽家としての活動のほか、『西麻布ダンス教室』『ダンシング・オールナイト』(いずれも いとうせいこう、押切伸一との共著)などダンス批評においても活躍。1992 年より劇作家・ 演出家の宮沢章夫が主宰するユニット「遊園地再生事業団」に参加、作曲を担当。2004 年 よりコンテンポラリーダンスのショーイングイベント「吾妻橋ダンスクロッシング」オーガナイザー。

劇団「地点」

地点(Chiten)

劇作家が演出を兼ねることが多い日本の現代演劇において、演出家が演出業に専念するスタイルが独特。多様なテキストを用いて言葉や身体、物の質感、時間などさまざまな要素が重層的に関係する演劇独自の表現を生み出すために活動している。テキストの綿密な解釈に基づき意 味を再構築するその手法は、国内外で高く評価される。

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