アルティ・ダンスカンパニー第9回公演

2012年度ALTI芸術劇場のラストは「春の祭典」と「火の鳥」のバレエ2本立て。
A.A.Pが華麗な舞踊で、こころふるえる時間をお届けします。

【日   時】 ■2013年3月9日(土) 18:00開場(※終了しました。たくさんのご参加ありがとうございました)
18:30公演への誘い(プレトーク) ゲスト/唐津絵里(愛知芸術文化センター主任学芸員)
19:00本公演
■2013年3月10日(日) 14:30開場(※終了しました。たくさんのご参加ありがとうございました)
15:00本公演
終演後交流会(出演者も参加予定。ワインサービス付)
【芸術監督・演出】 望月則彦
【構成・振り付け】 春の祭典:河邉こずえ(A.A.P.ブヨウ部門登録メンバー)
火の鳥~HAZAMA~:山口陽子(A.A.P.ブヨウ部門登録メンバー)
【演     奏】 春の祭典/ピアノ:パトリック・ジグマノフスキー、池田珠代
火の鳥~HAZAMA~/打楽器:宮本妥子、後藤ゆりこ
【出     演】 中田一史(GENESIS ART COMPANY)
< アルティ・アーティスト・プロジェクト(A.A.P.)ブヨウ部門登録メンバー(五十音順) >
安部淳子、植村佳奈恵、奥田明香、小野真琴、片山葉子、桑田充、高島寿、田中裕子、楢原季里子、
濱島由香、深山未香子、福谷葉子、藤川雅子、枡富元穂、クードリャ沙美、宮澤由紀子、三好美希子、
山邑知子、吉田ルリ子
【衣     裳】 清川敦子
【頭     巾】 しみずちか
【フラワーアート】 藤井淳子
【会   場】京都府立府民ホール アルティ(交通アクセス

 ALTI芸術劇場Vol.6「チェロアンサンブルの愉しみ」 |  過去公演 | ALTI芸術劇場Vol.8「モリー先生との火曜日」 

 

音楽、舞台、照明、ダンス。無声劇ならではの雄弁さを再確認。

2013年3月9日(土)・10日(日)、「ALTI 芸術劇場 vol.7」を開催いたしました。2012年度 ALTI 芸術劇場を締め括る第七回は、アルティ・アーティスト・プロジェクト(以下A.A.P.)の〝ブヨウ部門〟がお届けするストラヴィンスキーの『春の祭典』と『火の鳥~HAZAMA~』二本立て。A.A.P.独自の演出で生まれ変わった二作品は、それぞれピアノの生演奏と打楽器のパフォーマンスをバックに、闇の中で照らし出されたヒトの身体の動き、その妖しくも美しい魅力に引き込まれるステージでした。

 山口陽子氏振付『火の鳥~HAZAMA~』
 河邉こずえ氏振付『春の祭典』
 

9日のプレトーク「公演への誘い」には、愛知芸術文化センター主任学芸員・唐津絵理氏をゲストに招き、ストラヴィンスキーとロシア・バレエ(バレエ・リュス)の歴史、現代芸術に与えた影響等についてご紹介いただきました。

『春の祭典』『火の鳥』は、イーゴリ・ストラヴィンスキーがバレエ界の革命児として20世紀初頭に台頭することになった作品。当時のバレエ界の常識を覆す演出や音楽、振付けなどで賛否両論を巻き起こした話題作――そんな二作品に、A.A.P.の若手舞踊家二名が振付家として挑戦したのが本公演です。

 公演への誘いゲスト、唐津絵理氏
会場は9・10日、両日とも超満員
会場は9・10日、両日とも超満員!
 

望月則彦監督の推薦から『春の祭典』を河邉こずえ氏、『火の鳥』を山口陽子氏がそれぞれ担当。ホールの電動可動床を活用したバラエティと緩急に富んだステージングで終演まで観る者の目を耳を奪い飽きさせませんでした。

『火の鳥』では舞台全体を使ったダイナミックなステージングや、客席までをも舞台に広げた演出、照明量と連動したメリハリの効いたシーン構成、躍動感溢れるダンスの相方ともなった迫力満点の打楽器などが、最後の最後までワクワク感を持続させてくれました。クライマックスは荘厳な空気を見事に描き出していました。

 『火の鳥~HAZAMA~』には打楽器が
 『春の祭典』ではピアノが生演奏
 

『春の祭典』では緊張感溢れるピアノの旋律とキレのあるダンス、広い舞台をあえてスポット的に利用したステージングが見事にマッチングし、危うく、妖しく、美しいシーンが丹念に濃密に描かれていました。花弁などの美術が照明の創り出す光と影の中で各シーンの密度をさらに増し、説得力に溢れたピアノが終演まで緊張の糸を解かず更に紡ぎ続けていきます。狂い咲き散る花弁の中、キレの良過ぎるエンディングが奇妙な余韻を残していました。

『火の鳥~HAZAMA~』
『火の鳥~HAZAMA~』より
 『春の祭典』より
『春の祭典』
『春の祭典』より
 

公演終了後の交流会では振付家と出演者たち全員の挨拶がありました。ピアノのパトリック氏は本公演始動のきっかけとなった発案者で、交流会の乾杯の音頭もとっていただきました。突然のスピーチ要請に戸惑う出演者が多い中、火の鳥役の桑田氏は「人間の役をやらせてもらえない」とジョークを飛ばし、場を和ませてくれました。全員の挨拶の後、出演者たちと振る舞いのワインに舌を遊ばせながらの和気藹々の会となりました。

 【写真1】左から『火の鳥』打楽器/後藤ゆり子氏、宮本妥子氏、
振付/山口陽子氏 【写真2】右側:桑田充氏
 【写真1】左から『春の祭典』ピアノ/パトリック・ジグマノフスキー氏、
池田珠代氏、振付/河邉こずえ氏 【写真2】枡富元穂氏、中田一史氏
 

第七回終了を以って2012年度 ALTI 芸術劇場は無事全公演終了となりました。この場を借りて、ご参加ご愛顧いただいた皆々さまにお礼を申しあげます。誠にありがとうございました。また ALTI 芸術劇場 vol.8 でお会いしましょう!

 

新たな劇場芸術を創造するアーティストたち28名。A.A.P.ブヨウ部門所属の面々をご紹介!

【芸術監督・演出】

望月則彦

望月則彦

谷 桃子、アンドレ・グレゴルスキー、マダム・ダルバッシュに師事。1977年、78年日本バレエ協会「夏期定期公演」にて振付賞を連続受賞。1980年文化庁派遣芸術家在外研修員として1年間アメリカに留学。帰国後日本バレエ協会主催公演やローザンヌ国際コンクールでの受賞者の作品も多数創作。1987年から97年まで10年間にわたりスイスのサン・ガーレン州立劇場付属バレエ団にて依頼作品を創作。
1998 年創作作品「テス」が音楽新聞社の邦人舞踊作品ベスト3に選ばれる。2000年5月に新国立劇場にて依頼作品「舞姫」を創作。同年 橘 秋子賞、特別賞受賞。また近年では韓国での国際ダンスフェスティバル招待公演で創作作品を発表する。2010年には、創作作品「レ・ミゼラブル」が平成22年度(第65回)文化庁芸術祭大賞を受賞する。

 

【構 成・振 付】

河邉こずえ

河邉こずえ

クラッシックバレエを八束公子、三秋信子に師事。大阪芸術大学大学院在学中より横井茂、望月則彦、今岡頌子、堀内充、加藤きよ子らに師事。2008年同大学院修士課程を総代で修了し、博士課程へ進学。2011年舞踊の研究において芸術博士号を取得。
バレエ・コンクール in 横浜第1位。
Passion du Ballet a Kyoto Competition 第1位。
New Prague Dance Festival2011 ダンスシアター賞グランプリ。
他、 数々の受賞歴を持つ。現在、大阪芸術大学大学院助手。

山口陽子

山口陽子

1991年よりT.Mパフォーマンスプロ小川珠絵氏に師事。TMPPスタジオ所属。舞台美術館シリーズをはじめ、創造空間公演「パ・ド・カトル」「私的道成寺」「オンディーヌ」「源氏物語」(京都府主催)などに出演。また、プラハ・ハワイ・ホノルルなどの海外フェスティバルにも参加。
1996年ROAD FISH結成。主催公演"ROAD FISHⅠ~Ⅷを開催。"人とつながる身体表現"をコンセプトに舞踊スタイルにとらわれす、様々な舞台にて創作活動中。ダンサーとして活動をしながら、後進の育成にも力を注いでいる。また、舞踊以外でも構成や振付を手がけたり、舞台プロデュースも行っている。

 

【演     奏】

パトリック・ジグマノフスキー

パリ国立高等音楽院、同音楽院演奏家マスタークラス卒業後、ミュンヘン国立音楽院にドイツ政府奨学金生としてゲラルトオーピッツ氏の教えを受けた。数々の国際コンクールに優勝、CD(リランクス、ジグザグテリトワール)が発売され、『エレガンスを失わずに威光を放つ演奏』と批評される。ラジオフランス、テレビ出演の他世界各国の音楽祭に招かれる。2002 年から、自らが音楽監督としてプロデュースし、出演する「ボルドー音楽祭 MUSIQUES FESTIV'」を毎年手掛けている。また、音楽のジャンルを問わずアレンジメントや作曲も手がける非常に多彩なアーティストである。2007 年、その活躍でフランス芸術アカデミーからデルマス賞を授与。現在、パリエコールノルマル高等音楽院教授 (フランス)、大阪音楽大学客員教授(日本)、雲南省云南民族大学客員教授(中国)。

池田珠代

池田珠代

横浜雙葉学園中学時代に国内コンクール入賞。その後桐朋女子高ピアノ科卒、パリ国立高等音楽院入学。後、演奏科マスターコース在学中ルフェーブル国際コンクール第 2 位、ドビュッシー賞も受賞。ポルト市国際コンクール(フランス音楽賞受賞)、エピナール国際コンクールなど数々の国際コンクールに入賞。またプーランク国際コンクールにおいて 1位を受賞(カサドゥス賞も同時受賞)。モンペリエ国立音楽院 、パリ郊外音楽院で教鞭をとりながら、ラジオ・フランス、テレビも数多く出演。録音では、クラリネットソナタ集、ピアノソロ(プーランク集)、ストラヴィンスキー、ラヴェル連弾集(DVD)、シューベルトピアノ連弾集 ( ワーナークラシック)が録音、絶賛されている。また、毎夏ボルドーと横浜で行われる「ボルドー音楽祭 MUSIQUES FESTIV'」の創立者の一人である。

宮本妥子

宮本妥子

パーカッション、マリンバ奏者。同志社女子大学学芸学部音楽学科打楽器専攻後、同大学音楽学会《頌啓会》特別専修課程修了。ドイツ国立フライブルク音楽大学大学院、その後ソリスト科に進み、99年首席最優秀にて同科を卒業とともにドイツ国家演奏家資格を取得。95年ルクセンブルク国際マリンバコンクール、97年第46回ミュンへンARD国際音楽コンクール打楽器部門ファイナリスト入賞。98年ライプチヒ現代音楽アンサンブルコンクール(全ドイツ部門)第1位。平成10年度 滋賀県文化奨励賞受賞。平成12年度 平和堂財団芸術奨励賞受賞。これまでに世界10カ国以上のフェスティバルに招待され多数のラジオ、CD録音を行う。平成16,17年度の「地域創造公共ホール音楽活性化事業」の登録アーティストに選ばれ現在も全国でコンサート、アウトリーチを展開。現在、石山高等学校、相愛大学、同志社女子大学、各非常勤講師。

後藤ゆり子

後藤ゆり子

同志社女子大学学芸学部音楽科卒業。在学中、音楽篤志家奨学金を受ける。同大学特別専修課程修了。第10回日本管打楽器コンクールにて第3位受賞。打楽器コンチェルト、マリンバコンチェルトをオーケストラや吹奏楽と共演する。また、三味線や尺八、語り、口笛などとのセッション、現代音楽の初演など様々な音楽シーンに出演。作曲、編曲も手掛ける。 現在、大阪府立夕陽丘高校音楽科、相愛学園高等学校音楽科非常勤講師。
CDアルバム「クワイエット・グリーン」「MAR TONE」の二枚をリリース。NHK-FM『名曲リサイタル』に出演。

 

【出     演】

中田一史

中田一史(GENESIS ART COMPANY)

クラシック・モダン・コンテンポラリーのジャンルを問わず、様々な舞台に出演、又はプロデュースしながら、バレエ団・グループ等に作品を振付・提供している。

1991年貞松・浜田バレエ学園にてバレエをはじめる
1998年ミラノ スカラ座バレエ学校に東洋人として初めて、正学生として入学
2000年ノルウェー国立オペラ座バレエ団に入団
2001年ミーシャ・ヴァン・ヌック・バレエアンサンブルに入団
2004年チリ・サンティアゴ市立歌劇場バレエ団にスジェとして入団
2008年神戸にてGENESIS ART COMPANY を旗揚げ
またダンサーとしての活動と並行して振り付けの提供、後進の育成、舞台プロデュースなど多角的に活動を展開している
 

アルティ・アーティスト・プロジェクト(A.A.P.)ブヨウ部門登録メンバー(五十音順)

安部淳子
安部淳子
植村佳奈恵
植村佳奈恵
奥田明香
奥田明香
小野真琴
小野真琴
片山葉子
片山葉子
桑田充
桑田充
高島寿
高島寿
田中裕子
田中裕子
楢原季里子
楢原季里子
濱島由香
濱島由香
深山未香子
深山未香子
福谷葉子
福谷葉子
藤川雅子
藤川雅子
枡富元穂
枡富元穂
クードリャ沙美
クードリャ沙美
宮澤由紀子
宮澤由紀子
三好美希子
三好美希子
山邑知子
山邑知子
吉田ルリ子
吉田ルリ子
 

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